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<画像:jpg>話題になった「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」を今更読んでみました。
今回のエントリはKeyと関係無いけどご容赦を。
ネタバレ全開なので注意。
左:俺の妹がこんなに可愛いわけがない 右:名探偵失格な彼女
<画像:jpg>
どちらも著作は伏見つかさ氏
「名探偵失格な彼女(AA)<画像:>」を読む前に伏見さんの本一冊ぐらい読んでおくかー。ぐらいのつもりだったんですが、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない(AA)<画像:>」中々良い本でした。
基本的にはツンツンした妹(桐乃)と兄(京介)とのドタバタコメディで話が進む本書。
ただ、この本で描かれている兄弟の関係はとてもリアル。
“ツンデレな妹との良くあるシナリオ−”と評される事があるようですが、
これは間違ってもツンデレなどでは無いです。
兄弟姉妹がいる人は経験があると思いますが、桐乃はツンデレしてる訳でも何でも無くて、ただ単に京介がウザイんですよ。
本書はかーずSPとかアキバBlogとか朝目新聞とかが出てきたり、妹がトンでも無いオタクだったりしてそれにウェイトを置きがちになっちゃいますが、見所は思春期における兄弟不仲を解消していく過程をリアルに、熱く描いた所。
本書の序盤では京介と桐乃は口すらまともにききませんが、
ケンカしたり口聞かなくなるのって、歳が近い兄弟なら性別関係なく普通の事だと思うんですよね。程度の差はあれ。思春期/反抗期ってのはそんなもんなんじゃないのかな。
思春期を過ぎて仲が良くなる兄弟がどれくらい一般的かは知りませんが、
僕が大学を卒業する頃には、兄と一緒に服を買いに行ったりする程仲良くなりました。
異性の場合も同様で、本書と同じ設定の子(末っ子の妹)と話をしたのですが
やっぱり兄の事は好きな様子。
帰省すると、同じ部屋で雑魚寝するほどらしい。
もちろん、大人になって仲が悪くなったり、例外なんかいくらでもあるだろうけど。
じゃあ不仲解消のキッカケってのは何だったんだろう。
多分それは、兄弟の不仲な時期にあっても下の子が困ってる時にさり気なく手を差し伸べる長男/長女の優しさなんじゃないかな。
本書でもウザイだのなんだの言いながら、結局なんだかんだで桐乃の面倒を見てしまう京介。
親よりも年齢的に近い分、理解できる事が多いんですよね。
それが良い事でも悪い事でも。
最後の最後、親父に殴られてまで桐乃を助ける所が一番熱いけど、
それはもう事情を知ってしまっていたから。
唯一の理解者である京介までが桐乃を見捨てたらどうなるかなんて想像に難くない。
そこに至る過程が重要で、
京介の偉大さが垣間見えるのはここ
世間体を気にするのは、誰だって当たり前だよな。
趣味と世間体の板挟み。誰にも相談できねえで、頑張ってたんだな、おまえ。
桐乃にとって、京介にまで布教しようとしたのはほとんど最終手段で、
それほどまでにオタク趣味を話せる友達を渇望してたんですよ。
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